日: 2016年6月8日

ニセ科学とは、「一見科学的に正しいようで実は全然そうでない理屈や主張の事」を指しています。例えば、アルコールは様々な病気や中毒の原因となっており、人体に有害な物です。ここまでは科学的に正しい見解でしょう。では「アルコールを含んだ食品は総て危険なので即刻製造中止にしろ!」という主張は「科学的」といえるでしょうか?或る物が有害だという事と、それを少しでも含んだ製品や作っている企業が悪だという事とは話が別だと思うのです。本書によれば21世紀の今日においても、ニセ科学に基づいた強引な主張を正論と考える人々は数多く存在するようです。それらが政治家や有名人といった強い発言力を持つ人々の場合、名も無き市民の「科学的な」反論や批判はなかなか認められないというのが現実です(残念ですが)。でも、様々な商品や理論に対する批評が「真の科学」か「ニセ科学」なのかを冷静に見極める眼は、常に持ち続けていたいと考えています。

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そういう意味では、本書を読んだことは良い勉強になりました。特に第3章「有害食品、買ってはいけない?」の論理的なニセ科学批判は、弊社のガラスに関して発生した問題と共通する部分も数多くあり、説得力に富んだものだと思います。

Ichikawa

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著者略歴  1956年京都生 1978年、、奇想天外SF新人賞佳作入選。2011年、星雲賞・日本長編部門を受賞。以後、主にSF小説の分野で活躍。、

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