好きなTV番組にTV東京系の「美の巨人たち」があります。
昨日の放送は明治時代の七宝工芸家の濤川惣助という人物でした。
濤川(なみかわそうすけ)惣助作『迎賓館 七宝花鳥図三十額』。
迎賓館赤坂離宮の大食堂『花鳥の間』に飾られている
30枚の七宝焼の花鳥図が紹介されました。
とても七宝焼きとは思えません。超絶技巧です。
技巧だけでなく作品の奥底にある精神性も崇高です。
私の知っている七宝焼きは有線七宝なんですが、
これは無線七宝という気の遠くなるような手間をかけて
創られていくものらしいです。
一幅の美しい日本画を見ているようです。
七宝焼きはガラスフュージングと近いものがあります。
絵付けとは違いフリット・パウダーを使ってのフュージングで、
このような表現はおそらく不可能でしょう・・・
その精緻な美しさは、流行の軽いデザインなど寄せ付けない
不動の神格すら感じます。
濤川惣助が生きた1847?1910年(享年63)の時代は、
エミール・ガレの生涯(1846?1904年)と重なります。
アール・ヌーボーの時代には、ものすごい作家達がいたんだなと
改めて知らされました。
?
「美の巨人たち」は優れた上質のTV番組です。
しかし小林薫のナレーションの台本は一体誰が書いているのでしょう?
一言の過不足も無いきわめて簡潔な、
本当に美しいナレーションです。
http://tx-cgi.tv-tokyo.co.jp/kyojin/index.html
by? Tajima