来週開催のJUJO文化祭の講師の山本達也先生が
作られた海のペーパーウエイトです。
マンボウやクラゲ、底にはイソギンチャクもいます。
とっても愛らしいモチーフのペーパーウエイトです。
ガラスは佐竹ガラスです。
大きさは高さ約5cmφ4cmくらいあります。
山本先生はこの大きなペーパーウエイトを
エアバーナーTB-03で作られたそうです。
あの炎でこんな作品ができるなんて、ほんと信じられません!!
私なんかはこの半分の大きさでもムリですね・・
こちらはクラゲのペーパーウエイトです。
きれいですよね?
これらを佐竹ガラスで作っているところに、
山本先生のものすごいテクニックがあります。
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このような作品をバーナーワークでは
Sculpture(スカルプチャー?・彫刻)と呼びます。
とんぼ玉はBeadworkといいます。
ホットワーク(吹きガラス/バーナーワーク等)で作ったガラス作品は、
必ず徐冷という工程を経てゆっくりと常温に冷まされます。
ホットワークの中でもスカルプチャー作家が考えている徐冷と、
グラスフュージング(正確にはコールドワーク分野)の徐冷とは全く異なります。
とんぼ玉や吹きガラスの徐冷とも基本的に違います。
スカルプチャー作家が行う徐冷は
コンピューターがやってくれるプログラム徐冷では無く、
数え切れない失敗(割れ)の上に確立された、
数字では説明できない作家自身の感覚による、
かなり高度な技術なんです。
とくにそのガラスが佐竹ガラスなどのソフトガラスともなれば、
作品を割れずに完成させる事はさらに難しくなります。
酸素バーナーでホウケイ酸ガラス(硬質ガラス)を使えば、
ガラス自体が熱変化に強い為、作業は多少楽になります。
そして大きな作品を作ることも可能です。
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全国的にバーナーワークでスカルプチャーを
専門にされている作家はきわめて少ないです。
圧倒的にとんぼ玉の作家が多いです。
もちろんとんぼ玉の世界も奥深いです。
おそらく日本のとんぼ玉作家は、技術的に世界トップレベルです。
山本先生はスカルプチャー専門の作家です。
今年7月にワークショップをして下さった、
青木真理先生も同じくスカルプチャー作家です。
こちらは青木先生の作品です。 全高は約13cmあります。
佐竹ガラスで作られています。
かわいらしい作風の向こうに、
信じられないテクニックがこの作品の中にぎっしりと詰まっています。
ガラスのお土産屋さんで売っているガラスの小物とは全く違います。
あなたにはこの超絶技巧のすごさが分かりますか?
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これらの作品を見るたびにハァーってため息をついてしまいます。
とっても登れそうにない高い山を見てるようで・・
只々「すごい作品です・・」としか言葉がありません。。。
すべては完璧な基本技術の組み合わせなんですけれども・・
by? Tajima