今日はというか、
今日もフュージングの話です
なにはともあれまず今日の1枚の写真です。
これを見て下さい。
ベンチです。鏡に映っているんではなくて手前と向こう側に2つあるんです。
ベンチのトップはガラスを焼いて作った物です。
シートガラスを20枚は重ねてあると思われますが、
それを焼いて、焼き上がり後、面を取ってベンチトップにしてあます。
全体の暑さは、10cm近くもあり、これを焼くのにはどのくらいの時間というか、
もはや日数ですね、がかかるのだろう???と計算してみました。
Bullseye社発表の除冷に関するデータがあり、それを基に計算してみました。
除冷に入る前に作品内の熱を均一化にする必要がありますが、
それをアニール・ソークと言いまして、
作品がどの位の厚さの時にどのくらいの時間482度
(ブルズアイのガラスでのアニールソークの温度です。)
でキープするかという工程なんですね。
厚みは、作品の厚みが均一の時のデータです。
厚みが不均一で、デコボコしている物はまた違った時間のかけ方があるので、
今日はその話は置いといて。
さて、10cmの厚みをアニールソークするには、
482度で16時間キープします。と書いてありました。
ちなみにこの482度という温度は、色々実験した末に出した温度だという事です。
その後、除冷の工程に入っていきます。
1℃/h(1時間に1度ずつの割合で)482度から427度まで下げて、
その後2℃/hの割合で427度から370度までさげます。
さらに、5℃/hの割合で、370度から20度くらいまで下げていきます。
これを単純に計算していきますと、アニールソークから除冷で室温になるまで、
約170時間もかかり、これを日数に換算すると、
7日もかかる事になります。
さらに、初期段階の加熱の工程も考えると10日くらいはかかる事になります。
1つの物を作るのに、10日間という膨大な時間をかけて作るわけですね。
これだけの大掛かりな物だから、ふたを開けたら割れてました。
なんてことになったら、ショックで立ち直れないだろーなぁ。
?by jun