こんにちは、スティップルです。
「自分の仕事を振り返ってみる」の3回目です。最後です。
今回は壁画の話を中心に。
2001年頃より壁画の仕事も始めたと前回のブログで書きましたが、
子供の療養環境(入院生活環境)を少しでも豊かにしたいという願いを叶えるため、
2012年、NPOの団体から病院のプレイルームに壁画を描く仕事がありました。
2012年と言えばその前年の2011年は東北で東日本大震災がありました。
その東北の福島市の病院が現場でした。
震災後、光の消えてしまったようになった東北で、
何でもいいから少しでもいいからお役に立てることはないか、
と思っていたぼくは、これかもしれないなと思いました。
福島の美しい風景(雄大な磐梯山と猪苗代湖)と青い空に込めた希望をデザインし、
単身福島市内の病院に向かいました。
描画作業で1週間ほど震災の影響で薄暗い福島市に滞在していましたが、
毎日、ホテル←→現場←→居酒屋だけの行き来でした。
今思えばちょっと観光しとけばよかったかな?なんて思いますが、
その時は描くことに一途でした。
2015年には通常の建築工事の仕事ですが、
岐阜の特別支援学校で大規模な壁画をやりました。 ↓
ここでは、キャラクター作りでちょっと難航し、
結局、地元の特産品である枝豆をモチーフにしました。
壁面各所に岐阜の風景を入れ込んでいるので、
子供達も愛着を感じてくれたんじゃないかな。
2018年はやはりNPOの仕事で、大阪の大きな病院の小児科プレイルームを ↓
ここのキャラクターはそこで働く保育士さんの意見を参考にしたもので、
可愛らしい花の妖精です。ぼくも気に入ったキャラになりました。
ここでの仕事はそんなにヴォリュームも大きくなく、
2週間あれば楽勝で仕上げられると思っていたのですが、
なぜか仕事の進みが悪く、結局倍の4週間ほどかかってしまいました。
何でだったのでしょう・・・。
多分キャラの種類が多く、各々の調色に随分時間がかかったせいかもしれません。
現場仕事はそういったところがなかなか読みづらく、難しいですね。
その翌年2019年は島根の大学病院へ。 ↓
描画作業中、車椅子の男の子とそのお母さんが毎日顔を出してくれて、
いろいろお話させていただいたのが良い思い出です。
絵が好きだって言ってたけど、もう退院して元気にしてるかな?
そして今年2022年。
ぼくの以前のブログ(5月)でもアップさせてもらっていますが、
西尾の特別支援学校の仕事に繋がっていきました。 ↓
長い間仕事をしてきたので、ここに紹介できなかった物件の方が圧倒的に多いですが、
どの物件にも様々な思い出があり、施工写真を見る度にその当時のことが蘇ってきます。
そしてこのように振り返ることができるような、形として残る仕事をさせてもらえたこと、
家族をはじめ、会社や周りの方に感謝してもし尽くせません。
本当にありがとうございました。
またどこかで。
スティップル(Masaaki Inoue)