主人公は名古屋大医学部に通う東京生まれの青年。下宿先は祖父母が営む喫茶店。
そこで初めて出会う「手羽先」「カレーうどん」「鬼まんじゅう」「寿がきやラーメン」等の名古屋めし。
愛知グルメを縦糸に、常連客や友人との交流を横糸に描かれた楽しい連作ミステリーです。
今の世の中は本当に便利で、ネットやスマホを使えばグルメ情報も簡単に入手出来ます。
しかし、単なる情報でなく名古屋という街の独特の風情(良くも悪くも田舎っぽい)を小説として
伝えてくれる、実に面白いガイドブックといえましょう。県外から愛知を訪れる皆様に是非お薦め
の一冊です(シリーズは第二弾まで発売中)。
【著者略歴】
1959年愛知生。名古屋工業大学卒。1990年「僕の殺人」でミステリー作家としてデビュー。
重厚なものからコミカルなものまで、作風は多岐にわたる。
因みに私の好きな作品は
「刑事失格」「天国の破片」「狩野俊介シリーズ」(長編)
「ミステリなふたり」「奇談蒐集家」(短編集)等です。
Ichikawa