こんにちは!スティップルです。
弊社はステンドグラスの会社ですが、
壁画(ウォール・ペインティング)の仕事もしているんです。
壁画って?
はい、壁に直接絵の具で絵を描くことです(←当たり前)。
子ども病院や学校、幼稚園、福祉施設なんかが多いのですが、
その施設を使用する子供達や
そこに関わる様々なスタッフの方々の意見を取り入れ、
プランを作っていきます。
今回は、その仕事の進め方の一例を書いてみたいと思います。
とある小学校の図書室のエントランスに壁画を描くプロジェクト。
まず実際のデザインを描く前に、
『どんな絵がいいかな?』というワークショップが開かれました。
4~6年生の図書委員約30人、設計事務所のスタッフ、
他関係者と私スティップルが集合。
事前に用意された用紙には、
「いつ」、「だれが」、「どこで」、「どんなふうに」、
「何を、何で」、「どうしている」となっていて、
子供達は思い思いにお話を作っていきます。 ↓
この小学校の校庭には古くから“せんだんの木”が植えられていて、
この木が小学校のシンボル。 ↓
ちょうど半年前の台風で大きな枝が折れてしまい、
いまは添え木がされていてちょっと痛々しい状態。
そんな“せんだんの木”をお話に入れている子もいます。
また“せんだんの木”の妖精の絵を描いた子も。 ↓
それとは別に、
星と星がぶつかって本が宇宙から降ってきたという
物凄い発想の子とかも。
さすが、子供の発想は枠にとらわれませんね。
そんなこんなで様々なお話が出来上がりました。
これをどうまとめるか?
子供達が作った30ほどのお話。
なるべく採用したいけど、全部ってわけには・・・
さらに校長先生からもリクエストが・・・・・・・
まとめることの大変さに一旦絶望感に襲われながら、
え~~~い、気を持ち直して頭に力を入れる・・・・・
やはり“せんだんの木”と“宇宙”をメインにしよう。
“せんだんの木”は、今は無き枝は復活させて
力持ちの動物達が枝を支えてる絵にしよう。
せんだんの妖精はこんなふうにアレンジ。 ↓
“宇宙”のほうは空から降ってきた本に子供達を乗せて、
この町の景色を見おろしているように描こう。
ワークショップの用紙に描かれていた
リコーダーを吹く動物達は“せんだんの木”の上に、
“せんだんの木”の折れた枝には新葉を描き、
未来への希望をメッセージとして入れよう。
様々な試行錯誤とプレゼンの後、プランは無事決定。
その後現場に2週間入り、
養生からベースの色塗りに2人アシストしてもらった後は、
一人で作業を完了。
絵はだれでも好き勝手に描くことはできるけれど、
そうではなく、
その場所場所に描かれる必要性というか意味を持たせ、
直接壁面にアクリル絵の具で描くことで、
その空間が生き生きとした素敵な場所に変わっていく。
大きな施設ばかりではなく、
子どもクリニックや個人住宅なんかにも
もっともっと広がっていけばなあ、と思ってます。