ずいぶん昔に作ったステンドグラスのミラーが
自宅玄関にかけてあります。
大掃除の最中で拭きながら見直してみました。
なぜか朝顔のデザインです。
たぶん和風の鏡にしたかったんだと思います。
朝顔の花に朝露を接着してあります。
当時はクリアーガラスを5エモンで
小さく焼いて貼り付けたんだと思います。
昔の作品をあらためて見てみると、
当時の一生懸命さが垣間見えてとても懐かしいです。
もう1枚あります。
これは百合のミラーです。
花芯の部分にストリンガーを焼いたものが貼り付けてあります。
当時はバーナーも知らなかったので、
いろいろ考えてそうしたんでしょうね・・
今だったらバーナーやいろんなテクニックを使って、
もっとリアルな百合のミラーを作ると思います。
でもなにか昔の作品を見ると、
あまりいろんな事を知らなかったせいか、
素直な感じがあって好きです。
いろんな技術を覚えることは、
作品がどんどん華燭になっていく危険性があります。
もちろん色々な技術を知ることや覚えることはとても大切ですが、
覚えた技術の使い方はもっと大切だなと思います。
最終的には日本人の美意識は侘びと寂び、
いわゆる引き算の中にあるのではと・・
例えば円空仏や良寛の書などがそうだと思います。
円空仏や良寛の書は余計なものをすべてそぎ落とした清冽な美です。
良寛は「書家の書」は嫌いなもののひとつだと書いています。
深いお話ですね。
いつの日かそんな作品を作ってみたいです・・
?
日本の偉人が積み重ねてきた侘び寂びの美学は極めて奥が深く、
世界でも類をみないくらいに誇れるものだと思います。
ただその手段がガラスでは日本の美を表現するのは、
すこし難しいことかも知れませんけれど・・
by? Tajima